背景画の専門家であり「雲の神様」と称される島倉二千六氏が描いた背景画の数々が、当センターに収蔵され、その一部が一般公開されています。
当センターが参画・協力する「日本特撮アーカイブ」の2024年度の活動で、これら背景画の調査と保存(デジタルデータ化)が実施されました。 前編では本事業の概要と成果について、続く後編 では調査・研究のご報告をします。
【現在は本ページで掲載している背景画の一部および背景画デジタルデータの一般公開は行っておりません】
②小型~中型背景画パネルのデジタル化
小型~中型の背景画は、東京の専門スタジオで1枚ずつ高精細スキャンを実施し、デジタルデータを保存しました。
本背景画は本編映像で確認することができませんでしたが、昨年度の調査研究 で実施した矢島信男特撮監督の絵コンテの中から該当シーンを発見できたことで、使用予定だった作品のタイトルを特定することが出来ました。
■島倉 二千六(しまくら ふちむ)背景画家■
1940年10月5日新潟県に生まれる。中学では木版画部に所属し数々の賞を受賞。中学校卒業後に地元の看板屋を経て上京し、独立プロダクション(中央映画撮影所)で背景スタッフとなる。1959年に東宝特殊技術課に入り背景スタッフとして各作品に携わる。1982年に独立し「アトリエ雲」を設立する。『ウルトラQ』(1966年)、『宇宙刑事ギャバン』(1982~83年)、『さよならジュピター』(1984年)、『まあだだよ』(1993年)、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995年)、『犬神家の一族』(2006年)、『巨神兵東京に現わる』(2012年)などで背景として活躍。近年では舞台や博物館などでも活躍の幅を広げる。